絶海の秘境で体感する、青ヶ島の火山と神秘の自然
こんにちは、ShimaSuki編集部です。東京都の最南端、太平洋に浮かぶ小さな孤島・青ヶ島。東京から南へ約360km、日本で最もアクセスが難しいと言われ、絶海に浮かぶ二重カルデラの火山島として、壮大な自然、独自の文化、そして人々のたくましい暮らしが息づいています。観光地化されすぎていない青ヶ島は、“本物の秘境体験”を求める人々にとって、まさに最後のフロンティアとも言える存在です。
今回は青ヶ島でしか味わえない火山体験と、島ならではの絶景・文化をご紹介します。
青ヶ島とは?

青ヶ島は、伊豆諸島の最南端に位置する人口約170人の小さな有人島です。島の最大の特徴は、世界でも稀な「二重カルデラ」構造。外輪山の中に“丸山”と呼ばれる内輪山があり、まるで巨大な火山の箱庭のような景観が広がっています。島全体が断崖絶壁に囲まれ、まさに絶海の孤島。かつては女人禁制の神聖な島とされていた歴史もあり、今なお神秘的な雰囲気が漂います。
青ヶ島の二重カルデラ火山の秘密
青ヶ島の最大の特徴は、世界的にも珍しい「二重カルデラ」構造を持つ火山島であることです。これは、度重なる大規模な噴火によって、まず大きなカルデラ(外輪山)が形成され、その後さらに内部で新たな噴火が起こり、内側にもう一つ小さなカルデラ(内輪山=丸山)ができたことで生まれた地形です。
アクセスの壁が生む“秘境体験”
青ヶ島が“秘境”と呼ばれる理由のひとつは、そのアクセス難易度。八丈島からの連絡船「あおがしま丸」は天候に大きく左右され、運航率は約50%。ヘリコプター便もありますが、どちらも事前予約と情報収集が必須です。この“たどり着くまでが冒険”という体験こそが、青ヶ島の特別感をより強くしています。
火山の息吹を感じるスポット
池之沢噴気孔群(ひんぎゃ)

島の中央部、内輪山「丸山」周辺には無数の噴気孔が点在し、地中から白い蒸気が立ち上ります。ここは、青ヶ島が今も活動を続ける火山島であることを肌で感じられる場所。地熱を利用した「地熱釜」では、ふかしイモや温泉タマゴを味わうこともできます。
大凸部・尾山展望公園

島で最も高い大凸部(標高423m)や尾山展望公園からは、二重カルデラ全体と外海の大パノラマを一望。天候が良ければ八丈島まで見渡せ、夜には“星空コロシアム”と呼ばれる満天の星が広がります。
島の暮らしと文化
青ヶ島では、急斜面に集落が点在し、火山地形と共生する独自の生活文化が根付いています。地熱を利用したサウナや、島酒「あおちゅう」などの特産品も必見。また、断崖絶壁や急坂の道は、島の厳しい自然と人々のたくましさを感じさせてくれます。
青ヶ島へのアクセスガイド
青ヶ島は「神のご加護がないとたどり着けない」とも言われるほどアクセスが難しい絶海の孤島です。その分、到着したときの達成感や感動は格別。計画には入念な準備と柔軟なスケジュールが求められます。
直行便はなく、必ず八丈島を経由します。八丈島へは飛行機(羽田空港発、約50分)または夜行船(東京竹芝発、約10時間)で向かいます。八丈島から青ヶ島へは「連絡船」または「ヘリコプター」のどちらかで向かいます。
- 東京(竹芝)から八丈島へ(飛行機:約55分/船:約10時間)
- 八丈島から青ヶ島へ(ヘリコプター:約20分/定期船:約2時間半)
定期船「三宝丸」は天候による欠航が多く、乗船率が5〜6割とも言われます。一方で、ヘリコプター便(要予約)は確実性が高く、限られた座席数のため早めの予約が必須です。
おすすめはヘリコプター
ヘリコプターは「東京愛らんどシャトル」の公式サイトまたは電話で予約できます。1日1便、定員9名。予約開始直後(1ヶ月前)は即満席も。キャンセル待ちも活用し、根気強く空席をチェック。八丈島発10:30便に合わせ、羽田発7:30便の飛行機を利用します。
宿泊と食事情報:小さな島のあたたかいもてなし
青ヶ島にはホテルはなく、民宿が数軒営業しています。いずれも島民が運営するアットホームな宿で、地元料理や島の話を聞くことができるのが魅力です。島の人々のあたたかさに触れることで、旅の満足度はさらに高まります。
食材は主に地元産の魚や野菜が中心で、素朴ながらも力強い味わい。なかでも、島の伝統酒「青酎(あおちゅう)」は一度は味わってほしい逸品。各家ごとに製法が異なる“家酎文化”は、青ヶ島ならではの深い魅力の一つです。
まとめ
- 世界的に珍しい二重カルデラ火山を持つ絶海の孤島で、人口約170人の小さな有人島です。
- 断崖絶壁に囲まれ、八丈島からの連絡船とヘリコプターでのみアクセス可能。運航率は天候に大きく左右されます。
- 池之沢噴気孔群では活火山の息吹を体感でき、地熱釜での調理体験も可能です。
- 大凸部・尾山展望公園からは二重カルデラと太平洋の絶景パノラマを一望できます。
- 地熱を活用したサウナや島酒「あおちゅう」など、火山と共生する独自の文化が根付いています。
青ヶ島は、単なる観光地ではありません。アクセス困難な火山島、二重カルデラという唯一無二の地形、自然と共に生きる人々、地熱を活かした暮らし。すべてが、現代の生活では得がたい体験を与えてくれます。
行くのが大変だからこそ、辿り着いたときの喜びも大きく、旅の記憶は深く心に刻まれます。まさに“究極の非日常体験”を求める人にとって、青ヶ島は特別な場所になることでしょう。
次の旅先に、ぜひ青ヶ島を選んでみませんか?