こんにちは、ShimaSuki編集部です。日本海に浮かぶ隠岐諸島(おきしょとう)は、本州・島根県の北方約60kmに位置する、大小180あまりの島々からなる群島です。地理的にも歴史的にも本土とは異なる独自の文化と自然が息づいており、その中でも特に壮麗な景観を誇るのが「国賀海岸(くにがかいがん)」。断崖絶壁が連なるその姿は、訪れる者の心を強く揺さぶる「日本離れした絶景」として、多くの旅人を魅了しています。
この記事では、隠岐諸島の中でも「西ノ島(にしのしま)」にある国賀海岸を中心に、絶景とその背後に広がる歴史や文化の魅力をたっぷりとご紹介します。
隠岐諸島・国賀海岸で感じる絶景と歴史の交差点~時を超える旅のすすめ~

隠岐諸島の西ノ島に広がる国賀海岸は、257メートルの断崖・摩天崖と奇岩・通天橋が織りなす自然の芸術作品です。
歴史の面影を求めるなら、鎌倉時代に後鳥羽上皇が配流された地として知られる隠岐神社へ。境内に立つ樹齢800年の杉は、王朝文化が島に根付いた証しです。地元の古老が語る「流人伝説」を聞きながら歩くと、中世の時間がよみがえってくるようです。
牛や馬が放牧される牧歌的な風景と日本海の青が調和し、歴史探求家の心を揺さぶる光景が広がります。2025年から始まったVR体験「OKI-360」では、冬の荒天時でも観光船の臨場感を再現でき、季節を問わず絶景を体感できる新たな選択肢が加わりました。
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2. 絶景ハイキングと海からのアプローチ~二方向から楽しむ自然の造形美
摩天崖展望台から始まる2.3kmの遊歩道では、春はオキノアザミ、秋はダルマギクが彩りを添えます。軽装でも歩きやすい整備された道で、途中の草原では放牧された牛がのんびりと草を食む姿に出会えます。ハイキングの終点・通天橋では、波に洗われた赤白灰の岩層が地質学的なロマンを感じさせます。
海から眺めるなら「国賀めぐり観光船」がおすすめ。4月から10月の運航期間中、船上からは陸上では見えない岩窟や海食洞を観察できます。船頭さんが教える「明暗の岩屋」の伝説は、自然現象を神話で解釈した昔の人々の知恵が光ります。
3. 歴史が息づく島の食文化~サザエと隠岐牛が奏でる味覚の調べ

西ノ島の郷土料理「サザエごはん」は、潮風が育んだサザエの旨みを十割そばの出汁が引き立てます。隠岐水産高校発祥の「サザエ最中」は、つぶあんと餅の組み合わせが絶妙で、空港でも気軽に購入できます。歴史的に貴重なタンパク源だった「岩ガキ」は3年かけて育ち、濃厚な味わいが特徴です。
隠岐牛はミネラル豊富な牧草で育ち、霜降りと赤身のバランスが良いのが特長。地元の旅館では、昭和初期から続く秘伝のたれで焼く「隠岐牛のすき焼き」が味わえます。戦時中に漁師たちが考案した「いかめし」のピリ辛味は、過酷な労働を支えた歴史の味です。
4. 島時間を彩る名産品~海の恵みを携えて帰る
国賀海岸近くの「京見屋分店」では、サザエの殻を使ったオリジナルグラスが人気。地ビール「おきのしましま」は、地元のコーギー・テン店長が描かれた可愛いラベルが目印です。伝統的な「岩のりおにぎり」は、そのまま土産にできるパック詰めも販売されています。
隠岐藻塩を使った「わかめぱらぱら」は、ご飯にかけるだけで海の香りが広がります。歴史好きなら、後鳥羽上皇ゆかりの「隠岐そば」を再現した手打ちキットがおすすめ。江戸時代の製法を守る十割そばは、出汁にトビウオを使うのが特徴です。
5. 島前・島後を結ぶ船旅~時空を超える移動手段

本土からのアクセスは、境港発のフェリー(2時間40分)か七類港発の高速船(1時間45分)が主流です。2025年5月現在、レインボージェットは毎日3便運行し、船上から日本海のパノラマを楽しめます。島内移動には、レンタサイクルより起伏の多い地形に強い電動アシスト自転車が便利です。
歴史的な経路をたどるなら、後鳥羽上皇が使用したと伝わる「隠岐神社参道」を歩いてみましょう。石畳の道沿いには中世の五輪塔が点在し、当時の面影を残しています。地元ガイドと巡る「歴史ハイキングツアー」では、通常非公開の史跡も見学できます。
6. アクセス情報~過去と現在をつなぐ旅路
【主要都市からのアクセス】
- 東京方面:羽田空港→出雲空港(1時間40分)→レンタカーで七類港(40分)→フェリーで西郷港(2時間30分)
- 大阪方面:新幹線で岡山(50分)→特急やくもで松江(3時間)→七類港行きバス(55分)→高速船で別府港(1時間45分)
2025年5月現在、境港~別府港間のフェリーは14:25発、七類港発は9:00と9:30の2便があります。島内バスは1時間に1本程度運行しているため、事前に時刻表の確認が必須です。レンタカーなら西郷港から国賀海岸まで約40分、途中の浦郷地区で明治時代の廻船問屋跡を見学できます。
隠岐諸島・国賀海岸の位置情報
7. まとめ~歴史と自然が紡ぐ島の記憶
島のいたるところに残る歴史の痕跡と、時を超えて変わらぬ自然の造形美。隠岐諸島は過去と現在が交差する特別な場所です。次回の旅では、ぜひ自分の足で歴史をたどりながら、日本海が育んだ絶景と味覚を体験してみてください。
- 🗻257mの摩天崖と通天橋の絶景はVRでも体験可能(OKI-360利用)
- 🏯後鳥羽上皇ゆかりの隠岐神社で中世の歴史に触れる
- 🐚サザエごはんと隠岐牛が味わえる郷土料理の数々
- 🚢境港発フェリーで2時間40分、海からアプローチする歴史的航路
- 🚲電動アシスト自転車で巡る史跡と自然の融合風景