五島列島ひとり旅——静けさと海風に癒される、心を整える島時間

こんにちは、ShimaSuki編集部です。

「誰かと行く旅」もいいけれど、時には一人で島を歩いてみたくなる——。
五島列島（長崎県）は、そんな“ひとり旅”を望む人に静かに寄り添ってくれる場所です。
長崎港や福岡・博多港から船で行くその道のりすら、すでに旅の一部。青い海を渡る時間が、日常をひとつずつ手放すように心をほどいてくれます。

五島列島は、大小140あまりの島々からなる群島。メインとなるのは福江島・中通島・若松島など。
観光地としての派手さよりも、「何もしない贅沢」を感じられる環境が、近年は静かな人気を集めています。
特に一人旅では、教会群や断崖の絶景、温泉、カフェ巡りなどを、自分のペースで味わえるのが魅力です。

アクセス

五島列島への主なアクセスは以下の通りです。

天候による運航の影響を受けやすいため、旅程には余裕を持たせるのがポイントです。

五島のシンボルともいえる「大瀬崎断崖」。
福江島の西端にあり、展望台から見下ろす海はまさに圧巻です。
切り立つ崖と、どこまでも続く水平線。夕暮れ時には太陽がゆっくりと沈み、空と海が赤く染まる——その光景を一人で眺めていると、不思議と心が満たされていきます。

バスは1日数本のみなので、レンタカーかレンタサイクルがおすすめ。
展望台までの道のりにはカトリックの教会も点在し、五島が「祈りの島」と呼ばれる所以を感じられます。

五島列島を代表する観光地のひとつ「堂崎教会」。
明治期に建てられたレンガ造りの美しい教会で、かつての潜伏キリシタンの歴史を今に伝えています。
内部は資料館として公開されており、信仰を守り続けた人々の生活や信念に触れることができます。

観光地としてではなく「心を静める場所」として、1人で訪れると特別な意味を持つ教会です。

福江島南部の玉之浦エリアは、観光地化があまり進んでいない静かな地域。
手つかずの自然と、集落に流れる穏やかな時間が特徴です。
旅の途中で立ち寄る「玉之浦温泉」では、地元の人たちと肩を並べて湯に浸かりながら、島の日常に溶け込むような感覚を味わえます。

周囲にはカフェや宿も少ないですが、その“何もない”が逆に心地いい。
読書をしたり、海を見ながらただぼーっと過ごしたり。スマホを置いて、自然の音に耳を傾ける時間が、この島では特別な体験になります。

島の北部にある三井楽は、遣唐使の寄港地として栄えた歴史ある場所。
「辞本丸展望所」からは東シナ海が一望でき、晴れた日には久賀島や奈留島も遠望できます。

近くには「渕ノ元カトリック教会」もあり、レンガ造りの教会が丘に立つ姿は絵画のよう。
一人旅で訪れると、観光というより“暮らしに触れる旅”をしている感覚に。島のパン屋や雑貨店もあり、散歩途中の立ち寄りも楽しめます。

五島うどんは外せません。
細くコシのある麺を「あご出汁」で味わう郷土料理で、地元食堂の味が旅人に人気。
「五島うどんの里」では製麺の見学や試食もでき、旅の合間の昼食にぴったりです。

また、魚の新鮮さも五島ならでは。
特に「きびなご刺身」や「五島産ブリ」は、地元居酒屋で気軽に楽しめます。

一人でも入りやすいカウンターのあるお店が多く、宿のスタッフがおすすめを教えてくれることも。
人との距離がちょうどよく、温かい会話が生まれるのも島旅の魅力です。

五島には、観光ホテルから古民家リノベーション宿まで多彩な宿泊施設があります。
一人旅におすすめなのは「ゲストハウス」や「民宿」。
特に福江島の「カトリック教会通り」近くには、一人でも安心して泊まれる宿が増えています。

宿のオーナーや他の旅人との交流を通じて、地元の情報を得られるのも醍醐味。
逆に、完全に静かに過ごしたいなら、海沿いの一棟貸し宿も人気です。

1人旅で五島を訪れるなら、次のポイントを意識すると快適です。

五島列島の魅力は、派手さよりも「静けさ」や「人の温かさ」。
一人旅で訪れると、風の音や波の匂い、地元の笑顔など、普段は見過ごしている小さな幸せに気づく瞬間がたくさんあります。

“ひとり”で旅することは、孤独ではなく「自分を取り戻す時間」。
五島列島は、その静けさの中で自分と向き合える貴重な場所です。

忙しい日常を抜け出して、海を渡る時間をぜひ味わってみてください。