伊豆諸島の中でも、その「コンパクトさ」と「自然の造形美」で異彩を放つ式根島。島内に信号機はなく、移動手段は電動自転車がメイン。そんなゆったりとした時間が流れる島ですが、足元には猛々しい火山活動の余熱が眠っています。
2月・3月の式根島は、本土よりも一足早く「オオシマザクラ」が咲き始め、椿の花が地面を彩る季節。観光客が少ないこの時期は、野生の温泉を独り占めできるチャンスも多く、静かに自分を見つめ直したい大人旅に最適です。それでは、式根島の深淵へとご案内します。
⚠️ ご注意
本記事の内容は2026年1月時点の情報に基づいています。各温泉施設や商店の営業状況は天候や船の入港状況により変動します。訪問前には必ず「式根島観光協会」など、各種公式サイトをご確認ください。また、冬の海沿いは風が強いため、防寒対策(ウィンドブレーカー等)を忘れずに!
🌿 式根島・春を待つ島旅のハイライト
- 📍 野性味溢れる温泉:地鉈・足付・雅の湯、究極の3大露天風呂
- 📍 吸い込まれる絶景:神引展望台からの「式根島ブルー」と星空
- 📍 島グルメの洗礼:明日葉の天ぷら、赤いか焼きそば、伝説のたたき
- 📍 2月・3月限定の魅力:花粉レスの空気と、早咲きの桜巡り
- 📍 1泊2日の旅路:自転車で巡る、無理のないモデルコース
1. 究極の癒やし:海と大地が混ざり合う「3大天然露天風呂」
式根島といえば、何といっても「無料・24時間・水着着用」で入れる海辺の天然露天風呂です。火山島としてのエネルギーを肌で感じられる、日本でも稀有な体験が待っています。

① 地鉈温泉(Jinata Onsen)〜「内外科の湯」と呼ばれる秘湯〜
地面を鉈(なた)で割ったような荒々しい岩肌の間を通って辿り着くことからその名がつきました。ここは、湧き出す約80度の源泉と海水が混ざり合うことで、ちょうど良い温度になる「天然の調整風呂」です。
- 冬の醍醐味: 2月・3月の冷たい空気の中、赤茶色の鉄分豊富な湯に浸かるのは最高のリラックス。潮の満ち引きによって入れるポイントが変わるため、訪問前に必ず「潮見表」をチェックしましょう。
- 効能: 神経痛や冷え性に良いとされ、古くから島民にも愛されています。
② 足付温泉(Ashitsuki Onsen)〜透明な美肌の湯〜
地鉈温泉とは対照的に、無色透明でさらりとしたお湯が特徴です。海辺の岩場に作られた湯船は、満潮時には海に沈んでしまうほど海に近い場所にあります。
- ここがポイント: 泉質は炭酸水素塩泉。切り傷や皮膚病に良いとされ、古くは「足の付いた(怪我をした)アシカが癒やしに来た」という伝説も残っています。
③ 松が下 雅の湯(Matsugashita Miyabiyu)〜初心者でも安心〜
地鉈温泉と同じ赤褐色の源泉を引いており、潮の満ち引きに関わらずいつでも適温で入れるよう整備されています。更衣室やシャワーも近くにあるため、式根島の温泉デビューにはここが最適です。
夜には満天の星空を眺めながらの入浴が可能。2月・3月の夜空はオリオン座が美しく輝き、静寂の中で宇宙との一体感を楽しめます。
2. 視界を覆う「青」の衝撃。式根島の絶景スポット
式根島は標高が低いため、起伏が激しくありませんが、その分、岬から見下ろす海の美しさは際立っています。冬から春の澄んだ空気は、海の「青」をより深く、空の「青」をより鮮明に見せてくれます。

① 神引展望台(Kanbiki Lookout)〜新東京百景の1位〜
式根島で最も高い場所にある展望台です。ここから見下ろす海は、言葉を失うほどのグラデーション。
2月・3月は、北側に新島、南側に三宅島や御蔵島、そして西側には雪を冠った「富士山」がくっきりと見える確率が非常に高い時期。地球が丸いことを実感できる360度のパノラマは、まさに圧巻です。
② 泊海水浴場(Tomari Beach)〜扇型の天然プール〜
島を代表する、美しい扇型の入り江です。周囲を岩場に囲まれているため、外海が荒れていてもここだけは鏡のように静か。
泳ぐにはまだ早い2月・3月ですが、白い砂浜とエメラルドグリーンのコントラストを眺めながらのピクニックや読書は、贅沢な時間の使い方です。貝殻拾いやシーグラス探しも、この時期ならじっくり楽しめます。
③ ぐんじ山展望台の星空
街灯の少ない式根島の夜は、島全体が天然のプラネタリウム。特に2月は空気が乾燥しており、星の瞬きが鋭くなります。ぐんじ山展望台まで電動自転車で少し足を伸ばせば、天の川や流れ星を驚くほど間近に感じられるはずです。
3. 島を食らう。式根島ならではの「滋味豊かなグルメ」
小さな島ですが、食の文化は豊か。特に生命力溢れる植物や、新鮮な海の幸を使った料理は旅の大きな楽しみです。
明日葉(Ashitaba)の天ぷら
「今日摘んでも明日には芽が出る」と言われるほど生命力の強い明日葉。2月・3月は新芽が芽吹く時期で、柔らかく香りが高いのが特徴です。サクサクの天ぷらにして、島で採れる塩をつけて食べる。これだけで、春のエネルギーを体に取り込めます。
たたき(Tataki)〜島のおふくろの味〜
新鮮な魚のすり身に味噌や薬味を混ぜて揚げた「たたき」は、式根島に欠かせないソウルフード。お弁当のおかずとしてはもちろん、酒の肴にも最高です。各宿や商店で少しずつ味が異なるので、食べ比べも楽しいですね。
赤いか焼きそば & 赤いかバーガー
式根島の名物といえば「赤いか」。甘みが強く柔らかな赤いかをピリ辛のタレで絡めた焼きそばや、サクサクのフライにしたバーガーは、ランチに欠かせません。冬の寒い中、出来立てのピリ辛グルメを頬張るのは格別の喜びです。
🍴 おすすめ
式根島にはコンビニはありませんが、地元の「池村商店」や「ファミリーストアみやとら」などの商店でお弁当を購入し、絶景の展望台で食べるのが式根島流のランチ。特にお弁当に入っている「たたき」の温かさは身に沁みます。
4. 【1泊2日】2月・3月の式根島満喫モデルコース
【Day 1:地球のエネルギーに触れる日】
- 08:00 東京・竹芝桟橋から高速ジェット船に乗船。
- 11:00 式根島(野伏港)到着。レンタサイクル(電動)を借りる。
- 12:00 商店で「赤いか焼きそば」を購入し、泊海水浴場の砂浜でランチ。
- 14:00 地鉈温泉へ。干潮の時間を狙って、岩間の秘湯に浸かる。
- 16:30 雅の湯でゆっくり体を温め直し、夕焼けを眺める。
- 19:00 宿で「島寿司」や「たたき」を堪能。
- 21:00 ぐんじ山展望台で星空観測。
【Day 2:青の絶景と春の息吹を感じる日】
- 08:30 朝の神引展望台へ。空気が澄んでいるうちに富士山を望む。
- 10:00 島内の遊歩道を散策。早咲きのオオシマザクラを探す。
- 11:30 足付温泉で透明な湯を楽しみながら、磯歩き。
- 13:00 お土産選び。「くさや」や「明日葉茶」などをチェック。
- 15:00 高速ジェット船で東京へ。夕方には竹芝に帰着。
5. 快適な旅のために。アクセスと準備のポイント
アクセス方法(2026年最新)
■高速ジェット船(東海汽船): 竹芝から約3時間。2月・3月は比較的予約が取りやすい時期ですが、天候により欠航の可能性があるため、前日の運行予報のチェックが必須です。
■大型客船(さるびあ丸): 金曜夜発の夜行便がおすすめ。寝ている間に島へ近づき、朝、デッキから見る日の出は感動的です。
冬の島旅の持ち物
- 水着・ラッシュガード: 野生温泉の必須アイテム。冬はラッシュガードがあると体温の低下を防げます。
- サンダル: 温泉周辺は岩場が多いため、かかとのあるマリンシューズや脱げにくいサンダルが便利。
- 酔い止め: 冬の海は波が高くなることも。船酔いしやすい方は準備を。
- 花粉症の方はチャンス!: 式根島はスギ・ヒノキが少なく、花粉症の症状が和らぐ人が多い「避花粉地」としても注目されています。
まとめ:式根島は「ありのまま」の自分に帰れる場所
信号一つない小さな島。そこで出会うのは、荒々しくも包容力のある天然の温泉と、都会では決して見ることのできない澄んだ青の世界です。
2月・3月の式根島には、夏の喧騒はありません。あるのは、波の音と、鳥のさえずりと、地球が呼吸する温泉の音だけ。日常のノイズを脱ぎ捨て、水着一枚で大地のぬくもりに浸る。そんな体験が、東京からわずか3時間の場所であなたを待っています。
2026年、一足早い春を探しに。式根島へ、心のデトックスに出かけてみませんか?
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