南大東島で味わう絶品グルメと島の人情~ひとり旅で出会う沖縄の孤島体験~

mujintou・ritou

こんにちは、ShimaSuki編集部です。沖縄といえば本島や石垣島、宮古島を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、まだまだ知られざる魅力が詰まった「孤島」が沖縄には存在します。その一つが、南大東島(みなみだいとうじま)。沖縄本島から東へおよそ400km、太平洋のど真ん中に浮かぶ小さな島は、ひとり旅にぴったりの「非日常」と「人の温かさ」が待つ特別な場所です。

この記事では、南大東島でしか味わえない絶品グルメ、あたたかな島の人々との出会い、そしてひとり旅だからこそ感じられる島時間の魅力を余すことなくご紹介します。

南大東島とは?知っておきたい基本情報

南大東島は、沖縄県島尻郡南大東村に属し、周囲およそ21km、人口約1,300人の小さな島です。隆起サンゴ礁でできたほぼ円形の島で、白い砂浜やリゾート感とは異なる、ダイナミックな自然景観が魅力。波打ち際まで切り立った断崖が広がり、いわゆる「沖縄らしさ」とは一味違うワイルドな表情を見せます。

1900年ごろに八丈島(東京)からの移住者によって開拓された歴史を持ち、言葉や食文化、風習にも独自の影響が色濃く残っています。

アクセスは、那覇空港からRAC(琉球エアーコミューター)のプロペラ機で約1時間15分。便数は1日1〜2便ほどと限られているため、旅の計画は慎重に立てるのがポイントです。

南大東島の位置情報

絶海の孤島で育まれた食文化

南大東島の食卓には、海と大地の恵みが凝縮されています。特筆すべきは「大東寿司」で、八丈島からの開拓民が伝えた酢飯の上に燻製マグロを乗せた郷土料理。素朴な味わいの中に、島の歴史が感じられます。

島の東側にある「いちごいちえ」では、地元漁師が朝獲りしたキハダマグロを使った刺身定食が人気。隠れた名物は「ナワキリのバター焼き」で、地元で採れる貝類をシンプルな調理法で味わえます。

お土産にはマグロジャーキーがおすすめ。10年以上かけて完成させたという秘伝のタレが染み込んだ逸品は、甘口と辛口の2種類があり、島の商店で気軽に購入できます。

絶品グルメとの出会い:南大東島ならではの食文化

大東寿司

南大東島に来たらまず食べたいのが「大東寿司」。サワラやマグロなどの漬けを、甘めの酢飯にのせた押し寿司で、もともとは島で獲れた魚を日持ちさせるための保存食でした。

・おすすめ店:「いちごいちえ」
 空港近くにある食堂で、島の家庭料理を提供。大東寿司のほか、地元産の野菜を使った煮物や魚料理も味わえます。

いちごいちえ食べログ

ラム酒スイーツ

南大東島では、島内にある「大東糖業」で作られる黒糖を使ったラム酒「コルコル」が有名。そのラム酒を使ったスイーツも必食です。

・おすすめ:「ママさんの手作りケーキ」
 宿泊先や島の商店で出会えることもあるラムケーキは、しっとりとして香り高く、どこか懐かしい味わい。タイミングが良ければ、地元の方の手作りスイーツに出会えるかもしれません。

地元の人と紡ぐ温かな交流

コンビニもチェーン店もないこの島では、地元住民との会話が最大の楽しみ。レンタサイクル屋のおじいが教えてくれた秘密の展望台や、食堂の店主がこっそり出す島限定のデザートなど、公式ガイドブックに載らない情報が宝の山です。

毎週水曜日の朝市では、島のお母さんたちが手作りの漬物やお菓子を販売。ここでしか買えない「コルコルケーキ」は、地元産ラム酒を使ったしっとり食感が特徴。買い物ついでに島の生活様式を覗ける貴重な機会です。

また、特におすすめなのが「民宿での滞在」。島にはいくつかの小さな民宿があり、宿泊者同士やオーナーとの距離がとても近いのが特徴。夜には一緒に晩酌を楽しんだり、島の話を聞かせてくれたりと、旅が一層思い出深いものになります。

例えば、私が泊まった民宿では、ご主人が「明日、釣りに行くけど一緒に行くか?」と声をかけてくれ、早朝から地元漁師のような体験をさせてもらいました。大漁とまではいかないものの、釣った魚をその場でさばいてもらい、昼食に食べた味は今でも忘れられません。

大自然が生んだ神秘の鍾乳洞

島の北西部に位置する星野洞は、東洋一の美しさを誇る鍾乳洞。サトウキビ畑の真ん中に忽然と現れる入口をくぐると、ライトアップされた無数の鍾乳石が幻想的な世界を創り出しています。

ガイドツアーに参加すれば、3億年かけて形成された地層の解説や、戦時中の防空壕として使われていた歴史秘話も聞けます。ひんやりとした洞窟内は天然のクーラー代わりにもなり、真夏の観光に最適です。

歴史を感じるサトウキビ畑の風景

島の85%を占めるサトウキビ畑は、まるで緑の絨毯を敷き詰めたような光景が広がります。廃線となったシュガートレインの線路跡を散策すれば、大正時代の製糖業の隆盛を偲ぶことができます。

「日の丸山展望台」から眺める360度のサトウキビ畑は圧巻。展望台までの遊歩道には野生のハイビスカスが咲き乱れ、フォトスポットとして人気があります。

日の丸山展望台公式HP(南大東島ホームページ内)

星空と共に過ごす島時間

街灯が少ない島では、満天の星空が日常的に楽しめます。特に「塩屋海岸」近くの砂浜は、水平線まで遮るものがない絶好の観測スポット。夏には天の川が海面に映る幻想的な光景が見られます。

宿泊施設の庭先で開催される星空観察会では、地元の天文愛好家が星座の解説。都会では見られない南十字星を探すのも楽しいです。

島内移動と宿泊のアドバイス

レンタサイクルならではの発見があるものの、電動アシスト付き自転車がおすすめ。風が強い日でも楽に移動できます。宿泊は2024年オープンの「CORAZON RESORT」が便利で、レンタル器材の充実さが特徴です。

那覇空港からプロペラ機で約1時間。飛行機の窓から見るエメラルドグリーンの海と真っ白なサンゴ礁は、離陸前から始まる絶景の一部です。

ひとり旅だからこそ出会える“本当の沖縄”

南大東島は、沖縄本島や有名観光地では味わえない“沖縄の原風景”が残る場所。美しい海や空だけでなく、島民の温かさ、素朴で力強い食文化、そして自然との静かな共存。そのすべてが、ひとり旅の心に深く染み渡ります。

騒がしさから離れて、自分自身と向き合いたいとき。見知らぬ人とのふれあいが恋しくなったとき。そんなときこそ、南大東島を訪れてみてください。

あなたの旅が、きっと特別なものになるはずです。

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