こんにちは、ShimaSuki編集部です。
島根県の沖合、日本海に浮かぶ隠岐諸島。
そのなかでも「圧倒的な景色の中を歩きたい」という人に一度は知ってほしい島が、西ノ島です。
海抜257mの断崖「摩天崖」。
海に向かって続く緑の大地。
放牧された牛や馬。
そして、日本海に削られてできた国賀海岸。
写真で見るだけでも十分美しいのですが、西ノ島の魅力は、実際に自分の足で歩いたときにさらに強く感じられます。
ただし、西ノ島は「港に着けば有名観光地へすぐ行ける島」ではありません。
摩天崖へ向かう町営バスはなく、船の時刻も旅行計画を大きく左右します。
だからこそ今回は、
「西ノ島にはどうやって行く?」
「レンタカーは必要?」
「車なしでも摩天崖へ行ける?」
「何泊あれば楽しめる?」
「ひとり旅でも泊まれる?」
という疑問まで含めて、2026年秋の西ノ島旅行を詳しく紹介します。
そもそも「西ノ島」はどこ?
西ノ島は、島根県の隠岐諸島にある有人島のひとつです。
隠岐諸島の有人4島は、大きく「島後」と「島前」に分かれます。
西ノ島は、中ノ島(海士町)、知夫里島(知夫村)とともに島前を構成しています。
隠岐世界ジオパークの一部でもあり、島内では日本海と火山活動がつくり上げたダイナミックな地形を見ることができます。
西ノ島観光の中心となる港は別府港です。
本土から到着したあと、ここを起点に島内を巡ります。
西ノ島最大の絶景「摩天崖」

海抜257mの断崖から日本海を見下ろす
西ノ島を訪れるなら外せないのが、国賀海岸にある摩天崖です。
海抜257mの大断崖で、その周辺には牛や馬が放牧されています。
観光地として整備された展望台から景色を見るというより、
草原を歩き、その先に突然日本海が広がる。
そんな感覚に近い場所です。
周辺には約7kmにわたって海食崖や海食洞が続いています。
摩天崖~国賀浜を歩いてみたい
時間と体力に余裕があるなら、摩天崖だけを見て帰るのではなく、国賀浜方面へ続く遊歩道を歩くのがおすすめです。
国賀めぐり定期観光バスでは、希望者が摩天崖~国賀浜を約70分歩くこともできます。
「行った場所を見る」のではなく、
その風景の中を歩く。
西ノ島らしさを感じるなら、ぜひ旅程に入れたい時間です。
ただし、周辺には自動販売機がありません。
飲み物は事前に浦郷などで準備してから向かいましょう。
実は摩天崖へ路線バスでは行けない
ここは西ノ島旅行を計画するときに、とても重要なポイントです。
別府港から摩天崖までは、
車:約25分
e-bike:約40分
電動アシスト自転車:約60分
が目安。
徒歩では約180分かかります。
さらに、摩天崖駐車場へ向かう町営バスはありません。
そのため、主な選択肢は、
レンタカー
観光タクシー
国賀めぐり定期観光バス
e-bike
などになります。
「路線バスだけで簡単に摩天崖へ行ける」と考えて現地へ行くと困ってしまうので、移動方法は旅行前に決めておきましょう。
車なしなら「国賀めぐり定期観光バス」が便利
ひとり旅で、
「離島でレンタカーを運転するのは不安」
という人もいるでしょう。
そんな場合に便利なのが、国賀めぐり定期観光バスです。
2026年に案内されている国賀海岸満喫コースは、
13:00~14:45
15:00~16:45
の2便。
浦郷港から摩天崖、国賀浜を巡ります。
料金は大人4,000円。
運行期間は3月21日~10月31日です。
さらに希望者は、摩天崖から国賀浜まで約70分のウォーキングもできます。
車なしで西ノ島を訪れるなら、かなり使いやすい選択肢です。
注意したいのは、出発地点が別府港ではなく浦郷港であること。
別府港から浦郷までは、町営バスやタクシーなどで移動する必要があります。
海から見る国賀海岸もすごい

国賀めぐり定期観光船
もうひとつ、西ノ島でおすすめしたいのが国賀めぐり定期観光船です。
陸上から見る国賀海岸と、海上から見上げる国賀海岸では印象がまったく違います。
2026年に案内されている通常コースでは、
浦郷港
↓
船引運河
↓
国賀海岸
↓
摩天崖
↓
通天橋
↓
明暗の岩屋など
↓
浦郷港
を約90分で巡ります。
料金は大人4,000円。
運行期間は3月21日~10月31日です。
海況によって通常コースを運航できない場合もあるため、当日の運航状況は確認してください。
「歩く国賀」と「海から見る国賀」。
時間が許せば、両方体験してみたいところです。
本土から西ノ島へのアクセス
西ノ島には空港がありません。
隠岐世界ジオパーク空港があるのは、西ノ島とは別の島「島後」です。
本土から直接西ノ島へ向かう場合は、隠岐汽船のフェリー・高速船を利用します。
本土側の主な玄関口は、
七類港(島根県)
境港(鳥取県)
です。
2026年秋のダイヤでは、日や便によって寄港地・到着時刻が異なります。
たとえば2026年9月26日のフェリーダイヤでは、境港14:10発の便が西ノ島・別府港へ17:10に到着しています。
一方、高速船「レインボージェット」も運航されています。
高速船は速い反面、季節によってダイヤが変わります。
西ノ島旅行では、
ホテルを予約する前に船の時刻を確認する
くらいの順番がおすすめです。
松江駅から七類港へ行ける
公共交通で西ノ島を目指す人に便利なのが、松江駅と七類港を結ぶ接続バスです。
2026年秋のダイヤでは一例として、
松江駅7:50発 → 七類港8:30着
という接続便が設定されています。
七類港9:00発のフェリーへ接続できる形です。
運賃は松江駅~七類港で1,200円。
東京・大阪方面などから公共交通で向かう場合は、
松江まで移動
↓
接続バス
↓
七類港
↓
フェリー
↓
西ノ島
というルートを検討できます。
ただし接続時刻はダイヤ改正で変わる可能性があるため、旅行当日の便を必ず確認してください。
西ノ島ではレンタカーを借りるべき?
自由に巡るならレンタカーがおすすめ
西ノ島町観光協会も、島内には坂道が多いため、ゆっくり島を巡る場合はレンタカーをすすめています。
島内には複数のレンタカー会社があります。
ただし台数には限りがあり、土日、3連休、夏休みなどは満車になることがあります。
秋の連休に旅行する場合も、宿と同じタイミングで予約しておいた方が安心です。
車なしでも旅行はできる
一方、
「車がなければ西ノ島旅行はできない」
というわけではありません。
町営バス
定期観光バス
定期観光船
観光タクシー
レンタサイクル・e-bike
を組み合わせる方法があります。
特にひとり旅なら、定期観光バスを使うことでレンタカー代を抑えられる場合もあります。
1泊2日と2泊3日、どちらがおすすめ?
ShimaSukiでは、初めて西ノ島を訪れるなら2泊3日をおすすめします。
理由は、船と天候です。
1泊2日
1日目
本土 → 西ノ島
浦郷周辺散策
宿泊
2日目
国賀海岸・摩天崖
↓
本土へ
主要スポットを見ることはできますが、船の時間によってはかなり忙しくなります。
2泊3日
1日目
本土 → 西ノ島
島内をゆっくり散策
2日目
摩天崖
国賀海岸ウォーキング
観光船など
3日目
朝の島時間
買い物
↓
本土へ
このくらいの余裕があると、「船に乗るためだけに急ぐ旅」になりにくくなります。
特に秋のひとり旅なら、2泊3日の方が西ノ島の空気を楽しめるでしょう。
ひとり旅でも泊まれる?
西ノ島にはホテル、旅館、民宿、ゲストハウスなどがあります。
観光協会掲載の宿泊施設は複数あり、1名利用に対応する宿もあります。
たとえば浦郷地区の「島宿優心」は6畳客室が1~3名対応で、1名1室利用の料金設定も案内されています。
浦郷は観光バス乗り場にも近いため、車なし旅行なら浦郷周辺に泊まるのも選択肢です。
一方、別府港周辺に泊まれば船へのアクセスが楽になります。
宿を選ぶときは価格だけではなく、
「港を優先するか」
「国賀観光への動きやすさを優先するか」
でエリアを選ぶのがおすすめです。
コンビニはある?
あります。
ただし、都市部でイメージする24時間営業のコンビニとは違います。
船越地区に「Yショップにしのしま」があり、観光協会の2026年掲載情報では営業時間は8:00~19:30、火曜日定休。
24時間営業ではありません。
島内には小規模スーパーや商店もあります。
夜遅くに、
「ホテルへ戻る前にコンビニへ寄ろう」
という感覚では困る可能性があります。
飲み物や翌朝必要なものは、早めに購入しておきましょう。
ATMはあるけれど24時間ではない
ATMは、
郵便局
山陰合同銀行
JA
JF
などにあります。
ただし、24時間利用できるわけではありません。
また小規模な店舗や宿では現金が必要になる場面も考えられます。
西ノ島へ行く前に、ある程度の現金を用意しておくと安心です。
秋の西ノ島で気をつけたいこと
風を甘く見ない
秋の離島旅行で気温と同じくらい意識したいのが風です。
特に摩天崖や国賀海岸は遮るものが少ない場所があります。
長袖だけではなく、風を通しにくいウインドブレーカーなどを持っていくと安心です。
→関連記事:10月の離島旅行は何を着る?地域別の服装・気温・持ち物完全ガイド
歩きやすい靴を選ぶ
摩天崖~国賀浜を歩くなら、街歩き用のおしゃれ靴より、履き慣れたスニーカーやトレッキングシューズがおすすめ。
雨の翌日は足元にも注意しましょう。
牛や馬との距離にも注意
摩天崖周辺は放牧地です。
牛や馬を間近で見ることがあります。
特に親子の牛馬には不用意に近づかないよう注意してください。
また観光協会は、草の上へ直接座ったり寝転んだりするとダニにかまれる可能性があるとして注意を呼びかけています。
西ノ島は「便利さ」を求める島ではない
コンビニは24時間ではない。
船の時間を気にしなければならない。
摩天崖まで路線バスでは行けない。
天候によって海の予定が変わることもある。
西ノ島は、都市部と同じ便利さを期待して行く場所ではありません。
でも、その不便さがあるからこそ、
船が着く時間を待つ。
風がおさまるのを待つ。
海を眺めながら歩く。
夜になったら宿へ戻る。
そんな「島の時間」に生活を合わせる旅になります。
秋に少し日常から距離を置きたい。
観光スポットを次々と消化する旅行ではなく、自然の中を歩きたい。
そんな人に、西ノ島は候補にしてほしい島です。
摩天崖の上から日本海を見たとき、
わざわざ船に乗ってここまで来た意味を、きっと感じられるはずです。

