神奈川県三浦半島の最南端に浮かぶ「城ヶ島(じょうがしま)」は、都心からわずか2時間ほどでアクセスできる自然豊かな離島です。周囲約4kmの小さな島でありながら、太平洋の大海原を望む絶景、長年の波食によって形成されたダイナミックな奇岩群、歴史ある灯台、そして三崎ならではの絶品マグロや新鮮な海鮮グルメなど、数多くの魅力が凝縮されています。城ヶ島大橋によって本土と繋がっているため、徒歩やバス、車で手軽に渡ることができる点も大きな特徴です。
本記事では、城ヶ島を訪れるなら絶対に外せない観光スポットから地元の絶品グルメ、併せて立ち寄りたい周辺のおすすめスポット、アクセス方法まで、城ヶ島の魅力を余すことなく詳しく解説します。
城ヶ島の絶景&観光スポット
城ヶ島は、雄大な太平洋と相模湾に囲まれた自然の宝庫です。島の南側には荒々しい岩場が広がり、北側や西側からは穏やかな海と晴れた日には遠くに富士山を仰ぎ見ることができます。まずは、城ヶ島内で必見の観光スポットを紹介します。
1. 馬の背洞門(うまのせどうもん)

城ヶ島を代表する自然の造形美といえば「馬の背洞門」です。何万年もの歳月をかけて、海浪や風雨による侵食(海蝕作用)によって隆起した凝灰質砂岩の断層に大きな穴が開き、まるで巨大なめがねや馬の背中のような形になった天然のアーチです。
高さ約8メートル、横幅約6メートルに及ぶこの洞門は、かつては内部を歩いて通り抜けることができましたが、現在は風化が進み崩落の危険があるため、上部や内部の通行は禁止されています。しかし、見学スポットから見上げるその姿は圧巻の一言。特に、夜間に天の川と重なるタイミングや、夕暮れ時のシルエットは幻想的で、多くの写真愛好家を魅了してやまない場所です。
2. 県立城ヶ島公園

島の東側に広がる「県立城ヶ島公園」は、美しい芝生と豊かな植物、そして太平洋の大パノラマが一面に広がる風光明媚な公園です。園内は手入れが行き届いており、のんびりと散策を楽しみたい家族連れやカップルに最適なスポットとなっています。
公園の最東端にある展望台からは、房総半島や伊豆大島、天気が良ければ富士山までを一望することができます。
3. 城ヶ島灯台と安房崎(あわざき)灯台
城ヶ島には、趣の異なる2つの灯台が存在します。
- 城ヶ島灯台: 島の西端に位置する「城ヶ島灯台」は、1870年(明治3年)にフランス人技師ヴェルニーの手によって建設された、日本で4番目に古い西洋式砲台跡地に建つ灯台です。現在の塔は関東大震災後に再建されたものですが、白い八角形のフォルムが美しく、島のシンボルとして親しまれています。周辺にはレトロな土産物屋や飲食店が並ぶ商店街があり、昭和の雰囲気を残す街並みも魅力の一つです。

- 安房崎灯台: 島の東端、県立城ヶ島公園の先の岩場に立つ「安房崎灯台」は、2020年に新しくデザインし直されて再建された個性的な灯台です。三浦半島の特産品である「三浦ダイコン」をモチーフにした愛らしいデザインとグラデーションカラーが特徴で、青い海とゴツゴツとした岩場の中で一際目を引きます。干潮時には近くの岩場まで歩いて近づくことが可能です。

4. 城ヶ島ハイキングコース(赤羽根海岸・長津呂崎)

城ヶ島の魅力を足で体感するなら、島を横断するハイキングコースの散策がおすすめです。県立城ヶ島公園から馬の背洞門を経由し、城ヶ島灯台へと至るコースは、約1時間から1時間半ほどで巡ることができます。
コースの途中にある「赤羽根海岸」や「長津呂崎(ながとろざき)」周辺は、地層が露出した独特の岩場が続き、地質学的にも非常に貴重な景観が広がっています。千畳敷と呼ばれる平らな岩場では、磯遊びや釣りを楽しむ人々で賑わい、波が打ち寄せる豪快な音を聴きながらのウォーキングは最高の爽快感を味わえます。
城ヶ島で味わう至高のローカルグルメ
城ヶ島を訪れたら外せないのが、近隣の三崎港から直送される新鮮な海鮮料理です。名物のマグロをはじめ、サザエやウニ、生江ノ島ならぬ城ヶ島産の地魚など、海の幸を満喫できる名店が島内に点在しています。
1. 名物「三崎マグロ」の絶品マグロ丼
三崎エリアといえば、言わずと知れたマグロの水揚げ基地です。城ヶ島内の飲食店でも、極上のマグロを使ったマグロ丼や刺身定食を味わうことができます。
赤身の濃厚な旨味、口の中でとろける脂の乗った中トロや大トロ、さらには希少部位であるビントロや頭肉(ずにく)などを贅沢に盛り付けたマグロ丼は絶品です。自家製のタレに漬け込んだマグロの漬け丼や、ネギトロと赤身の二色丼など、店舗ごとにこだわり抜かれた味付けを楽しめます。
2. サザエのつぼ焼き&海鮮焼き
城ヶ島の商店街や沿道の食堂からは、芳ばしい醤油の香りが漂ってきます。その正体は、地元で水揚げされた新鮮なサザエやハマグリの網焼きです。
注文を受けてから目の前で焼き上げられるサザエのつぼ焼きは、プリプリとした食感と磯の香りが口いっぱいに広がり、食べ応え抜群。また、甘辛いタレで焼き上げたイカの丸焼きや、ウニを贅沢に載せて焼いた貝類なども観光客から絶大な人気を集めています。
3. 城ヶ島の定番名物「海鮮丼」と「サザエ丼(江ノ島丼スタイル)」
刺身を満喫したい方には、季節の地魚やエビ、イクラ、職人が仕込んだマグロがどんぶりから溢れんばかりに盛り付けられた特上海鮮丼がおすすめです。朝採れのコリコリとしたアジやスズキなど、その日ごとに変わる新鮮なネタを楽しめるのが島ならではの醍醐味です。
さらに、出汁で煮立てたサザエの身を卵でふんわりととじた「サザエ丼」も城ヶ島の隠れた名物です。
城ヶ島周辺のおすすめ観光スポット
城ヶ島内をじっくり巡った後は、城ヶ島大橋を渡ってすぐの三浦半島本土側のスポットにも足を延ばしてみましょう。城ヶ島と合わせて巡ることで、より充実した旅の行程を組むことができます。
1. 三崎港・うらりマルシェ
城ヶ島の対岸に位置する「三崎港」は、マグロの街として全国的に有名な港町です。その中心施設である「産直センター うらりマルシェ」は、観光客に大人気の買い物・グルメスポットです。
1階の「さかな館」には、専門のマグロ店や鮮魚店がずらりと並び、上質なマグロのサクや希少部位、自家製の干物や加工品をお買い得な価格で購入できます。
名物の「まぐろメンチ」や「まぐろまん」などのテイクアウトグルメを片手に港を散策するのもおすすめ。2階の「やさい館」では、三浦ダイコンや三浦キャベツをはじめとする新鮮な地場野菜が手に入ります。
2. 水中観光船「にじいろさかな号」
うらりマルシェの桟橋から出航している「にじいろさかな号」は、三崎の美しい海中世界をのぞくことができる半潜水式の水中観光船です。
船が目的のポイントに到着すると、客室の階下にある水中展望室からガラス越しに海の中を観察できます。メジナやウミタナゴなど、たくさんの魚たちが泳ぎ回る様子を間近で見ることができ、船上からの餌やり体験も楽しめます。子供から大人まで夢中になれるアクティビティです。
3. 海南神社(かいなんじんじゃ)
三崎の城下町風情が残るエリアにひっそりと鎮座する「海南神社」は、平安時代初期に創立されたとされる三浦半島の総鎮守です。食の神様である磐鹿六雁命(いわかのむつかりのみこと)を祀っていることでも知られ、食の職人や料理人からの信仰も集めています。
境内には樹齢800年を超える御神木の龍神大銀杏があり、龍の形に見える枝ぶりがパワーを与えるとして人気のパワースポットになっています。また、釣り竿を使って可愛らしい魚の形をしたおみくじを釣り上げる「マグロみくじ」は、旅の思い出作りにぴったりです。
4. 京急油壺温泉・諸磯(もろいそ)エリア
城ヶ島から車で15分ほどの場所にある「油壺(あぶらつぼ)エリア」や「諸磯エリア」は、静かな湾と豊かな緑に囲まれたヒーリングスポットです。
諸磯崎灯台周辺は、相模湾越しに富士山を望む屈指の夕日スポットとして知られており、カメラマンに人気があります。また、周辺の温泉施設では、地下深くから湧き出る塩分を含んだ天然温泉に浸かりながら、海を眺めて旅の疲れを癒やすことができます。
城ヶ島へのアクセス方法&お得なきっぷ情報
城ヶ島は都心からの交通アクセスが優れており、日帰り旅行に最適なロケーションです。主なアクセス手段と、旅を格段にお得にするおすすめのきっぷを紹介します。
🚌 電車・バスでのアクセス
電車と路線バスを組み合わせるルートが最も一般的です。
- 品川駅または横浜駅から京急線に乗車: 京急本線・久里浜線(快特・特急など)を利用し、終点の「三崎口駅」まで向かいます(品川駅から約1時間15分、横浜駅から約45分)。
- 三崎口駅から路線バス(京急バス)に乗車: 三崎口駅バスターミナル2番乗り場から「城ヶ島行き」のバスにのり、終点「城ヶ島」または「城ヶ島大橋」バス停で下車します(所要時間約30分)。
🚗 車でのアクセス
- ルート: 横浜横須賀道路の「衣笠IC」から三浦縦貫道路に入り、終点の「高円坊IC」または「初声IC」経由で国道134号線を南下。三崎口駅周辺を過ぎて県道26号線を進み、「城ヶ島大橋」を渡ると城ヶ島に到着します。
- 駐車場: 島内には「ワンデーパスポートシステム(城ヶ島パーキングパーフェクトシステム)」が導入されている公営駐車場が複数あります。指定の駐車場(城ヶ島公園駐車場、第一・第二駐車場など)であれば、1回普通車450円程度の料金を支払うと、同日内であれば島内の対象駐車場を何度でも移動・再駐車できます。車で島内の各スポットを巡る際に非常に便利です。
🎫 旅の強力な味方「みさきまぐろきっぷ」
城ヶ島や三崎エリアを電車・バスで観光するなら、京浜急行電鉄が発行している「みさきまぐろきっぷ」の利用が断然お得です。
このきっぷには、以下の3つのチケットがセットになっています。
- 電車・バス乗車券: 京急線往復乗車券 + 三崎エリアの京急バス指定区間フリー乗車券
- まぐろ券(まぐろ食堂券): 加盟している多数の店舗から選べる、至高のマグロ料理やお食事膳(城ヶ島内の人気飲食店も多数加盟)
- おもひで券(三浦・三崎おもひで券): 日帰り温泉の入浴、水中観光船への乗船、土産物屋での限定ギフト引き換えなどから選べる体験チケット
都内や横浜からの往復運賃、現地でのバス代、豪華なマグロ料理、レジャー体験がすべてセットになっており、個別に支払うよりも大幅に割引になる大変人気のあるフリー切符です。城ヶ島を訪れる際は、ぜひ活用をおすすめします。
季節ごとの見どころと城ヶ島を満喫するためのポイント
城ヶ島は四季折々の魅力を持ち、訪れる季節や時間帯によって全く異なる表情を見せてくれます。
ぽかぽかとした陽気の中、心地よい海風を感じながらのハイキングや磯遊びに最適な季節です。空気が澄んでいる日には、残雪の富士山と青い海の対比が美しく映えます。
白い雲と青い海が広がり、夏らしいアクティブな雰囲気に包まれます。島内の海岸では磯観察やシュノーケリングを楽しむ人々で賑わいますが、岩場は日陰が少ないため、帽子や水分補給などの熱中症対策を万全にして出かけましょう。
暑さがやわらぎ、じっくりと歩いて散策するのに最も適したシーズンです。秋から冬にかけては夕日が美しく見え、相模湾に沈む夕日と富士山のシルエットが織りなす絶景は息をのむ美しさです。
城ヶ島公園のスイセンが見頃を迎える季節です。冬場は一年の中で最も空気が澄み渡るため、伊豆半島や大島、遠くの山々までくっきりと見渡せます。風が強い日が多いため、防寒対策をしっかり整えて訪れましょう。
黒潮の恵みを受ける神奈川県三浦半島の最南端・城ヶ島。自然が造り出した雄大な奇岩や太平洋の水平線、歴史ある白い灯台、そして三崎が誇る新鮮なマグロや磯料理の数々は、日々の忙しさを忘れさせてくれる最高の癒やしを与えてくれます。
次の休日は少し足を延ばして、
魅力あふれる城ヶ島へ絶景と美味を求める旅に出かけてみてはいかがでしょうか。


